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この絵本、大好きだった! 年齢別・読み聞かせにおすすめの名作7選

文/ニクイねぇ! PRESS編集部 写真/矢部ひとみ

2016.09.30

多くの人が幼い頃、両親のひざの上で読んでもらった、お気に入りの絵本の思い出を持っているのではないでしょうか。絵本の読み聞かせは、わが子にたくさんのギフトを与えてくれます。

読み聞かせをとおしたスキンシップから、子どもの自己肯定感が育まれ、語彙力や感性が豊かになり、集中力が身につくといわれます。さらに、お子さんだけでなく、ママやパパも五感が刺激され、ボキャブラリーや感情表現が磨かれます。親子ともに、楽しみながら様々な力を身につけられるのが、絵本の読み聞かせなのです。

そこで今回は、子育て絵本アドバイザーの前田ちひろさんに、ママやパパにもなじみのある作品の中から「年齢別・読み聞かせにおすすめの絵本」をお聞きしました。

 

忙しいママやパパにこそ、絵本の読み聞かせがおすすめ!

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たとえ短い時間でも、読み聞かせでお子さんとコミュニケーションをとることで、お子さんはママやパパにしっかり向き合ってもらったという満足感を得られます。そして、絵本を手にとるママやパパは、読み聞かせによって心が穏やかに。「日中は働いていて子どもといっしょに過ごす時間がない」「子どもと遊ぶのが苦手」というママやパパにこそ、絵本の読みきかせは心強いサポーターになるのです。

「ピリピリとした仕事モードで帰宅したら、まずはキッチンで絵本を1冊手にしましょう。そこで手を止め、読み聞かせをすることで、気持ちが落ち着きいて“ママスイッチ”が入ります。料理をしながら、洗濯物をたたみながら……など、日常の生活の中ですきま時間を活用すると、1日数冊の読み聞かせができるようになりますよ」(前田さん)

 

0〜1歳:身近な素材のイラストを中心とした作品を

この時期の子どもはまだ集中力が弱いので、イラストを見せながら、ママやパパが語りかけやすい作品がおすすめです。1ページに1フレーズぐらいの文字量がベスト。テーマは食べ物や乗り物、動物など、身近なものから選びましょう。

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『くだもの』(平山和子/作 福音館書店/刊 1981年発行)

『くだもの』では、まるで写真のような精度の高いイラストで果物が描かれています。初めて絵本に触れる乳幼児に見せたい、とても美しい作品です」(前田さん)

 

 

1〜2歳:「自分でやりたい」を満たしてあげる作品を

少しずつお子さんの自我が芽生えてくる時期。自分のやりたいことが増えていく、好奇心旺盛な気持ちを満たしてあげる作品がおすすめです。イラストは色彩がはっきりしたもの。文章は会話などを中心とした軽めのもので、擬音語や擬態語の入った絵本がおすすめです。

0531_0024左:『しろくまちゃんのほっとけーき』(わかやまけん/作 こぐま社/刊 1972年発行)
右:『おでかけのまえに』(筒井頼子/作 林明子/絵 福音刊書店/刊 1981年発行)

「子どもの頃、『しろくまちゃんのほっとけーき』のホットケーキに憧れたママやパパも多いのでは? ホットケーキを焼く過程が並ぶページは、とくに人気。ぷつぷつ、ぺたん、ふくふく、など擬態語が楽しく、何度も『読んで!』とリクエストされることでしょう。

『おでかけのまえに』は、ママの共感を得られる作品です。自分でやってみたいことが増えるけれど、なかなかうまくいかず失敗ばかり。まるでわが子の日常を見ているようなエピソードに、ママやパパも思わず笑ってしまうことでしょう」(前田さん)

 

 

3〜4歳:主人公に入り込める作品を

この時期は挿絵から内容を想像したり、会話の先を創造する力がついてきます。絵本のストーリーをしっかりと味わいながら、自分なりに世界観を作り出すことができるので、わくわくどきどきする冒険心を味わえるような作品を選んであげましょう。

0531_0028左:『ノンタンのたんじょうび』(キヨノサチコ/作・絵 偕成社/刊 1980年発行)
右:『ぐりとぐら』(中川李枝子/作 大村百合子/絵 福音館書店/刊 1967年発行)

『ノンタンのたんじょうび』のノンタンは、会話がとてもリアルなところに共感できます。『ぬきあし さしあし』など、日常では使わないフレーズもときどき出てきますが、それによって語彙が増える楽しみも。『ママ、ぬきあしさしあしして帰ろっか!』と、私の娘は好んでノンタンのマネをしていました。

『ぐりとぐら』シリーズの魅力は、なんといってもこのわくわく感です。大きな卵や、大きなパンケーキ。そして『これからどうなるの?』 『こんなものがあるんだ!』と、いっしょに冒険しているような気分を味わえるので、誰もが夢中になります」(前田さん)

 

4~5歳:さまざまな個性が出てくる作品を

経験が深まり、語彙力がどんどん増えてくる時期。物事の道理を理解できるようになってきます。そのため、童話や昔話を取り入れていくといいでしょう。さまざまな登場人物や喜怒哀楽に触れることが、知識として蓄えられていきます。

0531_0032左:『からすのパンやさん』(かこさとし/作 偕成社/刊 1973年発行)
右:『おおかみと七ひきのこやぎ』(グリム童話 フェリクス・ホフマン/絵 
瀬田貞二/訳 福音館書店/刊 1967年発行)

「まず、『からすのパンやさん』。かこさんワールドはとても人気です。それぞれの個性やキャラクターが立っていて、細かいところまで丁寧に描いてあります。 『おいしそう!』『このパンが食べたい!』と、お気に入りだったパンをいまでも覚えていませんか? 親子の会話が弾む1冊です。

『おおかみと七ひきのこやぎ』は、保育園や幼稚園でのお遊戯会のテーマとして好まれる作品です。オオカミに食べられたり、お腹を切ったりと怖いシーンにハラハラしながら、お母さんにしがみついて聞いていた思い出があります。

『残酷なシーンのあるお話は、子どもに悪影響では?』という質問を受けることがありますが、残酷だと感じるのは経験豊富な大人だから。それよりも、子どもはヤギたちといっしょになってオオカミから逃げることを味わっていますので、心配しなくても大丈夫です」(前田さん)

 

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「絵本を読み終わったら、最後に裏表紙もしっかり見せてあげましょう。絵本作家さんは細部までとてもこだわって作品をつくっています。裏表紙にもたくさんの情報が詰まっていますよ。子どもたちは細かいところまでよく見ていますので、丁寧に見せてあげてくださいね」(前田さん)

 

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小学4年生になった前田さんの娘さんは、今でも絵本が大好き。幼い頃から絵本を読み聞かせていたことは、学校の勉強にも役立っているようです。

「子どもは家にあるものに興味を持つ習性があり、小さい頃から絵本に親しんでいると、自然と本が好きな子になります。絵本を読むことで読解力、想像力、集中力が身につくので、学校の勉強もスムーズに進むようです。昔話から得た知恵は悩みごとが出てきたときに、解決するヒントを与えてくれることも。たくさんの恩恵があるので、ぜひとも絵本の読み聞かせを続けていただきたいと思います」(前田さん)

 

 

教えてくれた人

前田ちひろさん

写真_前田ちひろ

子育て絵本アドバイザー/絵本セラピスト。4歳の男の子と9歳の女の子のママ。大学卒業後、金融機関に務めた後、出版・通信教育関連企業で12年間フルタイム勤務。2014年、仕事と子育てを両立するなかで絵本の存在に大きく助けられたことを実感し、絵本アドバイザーとして独立。主に働くママを対象にした「子育て絵本アドバイス講座」を開講している。
【HP】http://www.reservestock.jp/page/event_calendar/4203

 

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