How To

【意外に知らない!? お屠蘇とおせち料理のマナー】
厄年の人は最後に飲み、最初は祝い肴。
お正月までに覚えたい8つの作法

文/ニクイねぇ!Press編集部 写真/黒部徹

2015.12.18

お正月の風物詩ともいうべきお屠蘇やおせち料理。家族団らんで楽しむだけでなく、年始はお呼ばれの席なども多いので、人前で食べるケースも多いですよね。そんなハレの席で恥ずかしい思いをしないために、大人ならぜひ知っておきたいのが、お屠蘇やおせち料理に関するマナー。意外と知らないお作法を、テレビや雑誌などで活躍する料理研究家・小川聖子さんに教えてもらいました。

 

お屠蘇はまず年少者から飲む

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おせち料理の前にまず、お屠蘇を飲みますが、お屠蘇にはどんな意味合いやマナーがあるのでしょう?

「元日の朝に家族と新年のあいさつを交わした後に飲む縁起物のお酒=お屠蘇には、邪気を振り払い家族の健康を守る役目があるとされています。中身は“屠蘇散”という漢方薬を、赤酒、みりん、日本酒などに漬けたもの。屠蘇器セットは、盃が3枚備わるものがオーソドックスで、漆塗りや錫(すず)でできたものもあります。

そして、お屠蘇に関する1つ目のマナーが、“年少者から年長者へと順番に飲む”ということ。これには、“若者の活発な生気を年長者が飲み取る”という意味合いがあるんだそうです。宴会の席のように、気を遣って年長者から注ぐと、かえってマナー違反になってしまうのです」

※未成年者やクルマを運転する予定の人は、あくまで口をつける真似だけにするか、アルコールを含まないもので!

 

■厄年の人はお屠蘇を最後に飲む

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「そして2つ目が、厄年の人は最後に飲むというマナー。これには、“他の人々から厄を払う力を借りる”という意味合いがあるんだそうです。2016年に厄年を迎える方は、ぜひ覚えておいてください!」

ここでひとつ疑問が。“お屠蘇を注いでもらう際のマナー”というのもあるのでしょうか? 

「“盃を片手(または両手)で持ち、注いでもらう”という話も聞きますが、地方や流派によってしきたりは異なります。確固たるルールがあるわけではありませんので、基本的には“他人に不快な思いをさせない”というのが、マナーでしょうね」

 

■おせち料理は“祝い肴”から食べる

所狭しと重箱に詰められた、彩り豊かでおいしそうなおせち料理。記者はいつも、大好物の栗きんとんから食べ始めてしまうのですが、これってマナー的に問題ないのでしょうか?

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「おせち料理の中身は、“絶対これじゃないとダメ”というものはありません。ですが、ひとつだけ、最初は“祝い肴”から食べ始めましょうという決まりごとがあるんです。祝い肴とは、おせち料理の中の“黒豆”“田作り”“数の子”の3種を指します」

それは知りませんでした…。最初から好き勝手に箸をつけておりました。さっそく心が折れそうになりながらも、続けて“祝い肴”について説明してもらいました。

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「祝い肴における“黒豆”“田作り”“数の子”の3種は、関西圏では“たたきごぼう”がいずれかと入れ替わることも多いですね。

黒豆には、“元気でまめまめしく働けますように”。数の子には、“子どもがたくさん生まれますように”。田作りには、“田んぼでたくさんお米がとれますように”。たたきごぼうには、“家がごぼうのように深く根を張ってしっかり建ちますように”という意味がこめられています。

“田作り”とは、カタクチイワシ(ごまめ)を食材とした料理で、魚粉を田んぼの肥料にしたことから、その名前が付いたそうです。そして、重箱に詰められている場合、通常、祝い肴は『一の重』(最上段)に入っています」

【他の食材の由来】

えび…腰が曲がるくらいまで、長生きできますように

れんこん…れんこんの穴のように、まっすぐに将来を見通せますように

紅白かまぼこ…新しい年を、おめでたい白と赤で祝う

にんじん(梅の花の形)…まだ寒いうちに花を咲かせる梅のように、強くなれますように

だてまき…きれいな色と形で、お正月を祝う

たけのこ…たけのこのように、グングン大きくなれますように

きんとん…金色に輝く、豊かな1年でありますように

昆布巻き…“よろこぶ”と同じ“こぶ”という文字が入っていて、おめでたい食べ物

ぶり…大きくなるにつれて名前が変わる縁起の良い出世魚

里芋…小芋をたくさんつける里芋のように、子どもがたくさんできますように

 

おせち料理は、そもそも“家に年神様を迎えて一緒に食事をする”ための料理。また、よく知られることですが、かつて女性だけが家事を担っていた時代に、作り置きできる料理を重箱に詰めておくことで、ふだん家事で忙しい女性がお正月の間は休めるようにする、という狙いもありました。

「昔は、お正月の間はかまどの火を使わないようにしていました。また、お正月のお客さんにすぐに出せるように料理を作り置いた、と考えることもできます」と小川さん。

そして、年神様が移動するのは夜といわれていて、今でも大みそかの夜におせち料理を食べる地域もあるのだとか。てっきり誰もが元旦の朝に食べているものと思っていたので、これにはちょっとびっくりです。

 

■“祝い箸”の逆側で料理を取り分けない

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おせち料理を食べるときに使う“祝い箸”。両端が細くなっていて、どちらでも料理をつまめる両口箸になっています。おせち料理は大皿や重箱を広げて食べるので、遠くに食べたいものがあった場合、誰かに「それ、とって!」とお願いすることもあるでしょう。そんなとき、お箸の逆側で取り分けてあげるのはNGなのだとか。

「家に年神様を迎えて、一緒に食事をするのがおせち料理。そのため祝い箸の逆側は、神様が食べるときのためにあるもの。なので、取り分け用に逆さ箸をするのはマナー違反になります」 

親切心から、うっかり逆さ箸をしないよう気をつけないといけませんね。

 

のこり4つのマナーは次のページに

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