How To

収納のプロのご自宅を拝見! 暮らしにゆとりを生む7つの「時短収納テクニック」

文/羽田朋美(Neem Tree) 写真/矢部ひとみ

2018.11.26

1日24時間という時間は、すべての人に平等に与えられているものなのに、それが長く感じる人や、逆に足りないと感じる人がいます。とりわけ子育てをしていると「え! もうこんな時間!?」と思うことが、よくありますよね。そんな現実にあせるママやパパは、少なくないのでは?

中でも、日々の暮らしにおけるムダといえば、探しものをしている時間。いつも使うものを「取り出す」「しまう」ことがスムーズにできれば、探す時間から解放されて大幅な時短が実現し、暮らしにゆとりが生まれるはずです。

そこで、時間をもっと効率的、かつ有効に使うために、ここでは日常で使うものの整理・収納に着目しました。時短収納のコツを教えてくれたのは、整理収納コンサルタントの森山尚美さん。森山さんのご自宅にお邪魔し、実践されている7つのテクニックをうかがいました。

 

<キッチン編>

1.毎日使うものは“見せる収納”で取り出しやすく

森山さんのご自宅には、キッチンのシンク脇につくり付けのオープン棚があり、ヤカンやコップ、マグカップなど、家族が日常的に使うものが並んでいます。そしてその下には、そろいの容器に移し替えられた最小限の調味料が置かれています。

「1日に何度も使うものは、取り出しやすく、しまいやすい場所に“見せる収納”として置いています。オープン棚には『かわいい雑貨やお花などを飾りたい』と考える方が多いと思いますが、それをグッとこらえ、毎日使うものだけに絞って置くようにすると、忙しい朝の支度がとてもラクになりますよ。

また、並べるアイテムは、シンプルで美しいものを選ぶと、見せる収納でもゴチャゴチャしません。複数で並べるものは同じデザインで統一したり、色数を絞ったりすることも、スッキリ見せるポイントです」(森山さん)

 

2.調理器具の収納には“ファイルボックス”が便利

フライパンや鍋などの調理器具は、食器棚の引き出しに並べられたファイルボックスに、立てて収納されていました。

「重ねて平置きすると、下のものを取り出すのに時間がかかってしまいます。逆に、しまうのも面倒ですよね。そこで、引き出しをファイルボックスなどで仕切り、そこへ調理器具を縦に入れて収納しています。特によく使うフライパンは、取っ手を持って引き上げればワンアクションで取り出せるよう、1個のボックスにひとつのフライパンを収納しているのがポイントです。

調理器具をたくさん持っている方は『これでは入り切らない』と感じられるかもしれませんが、使用頻度の高いものを厳選し、管理しやすい数に絞り込んでゆとりを持たせて収納することが、時短への近道なのです」(森山さん)

 

3.お弁当づくりは“セット収納”でハードルを下げる

二人のお子さんを抱える森山さんの朝は、お子さんたちのお弁当づくりから始まります。ときには面倒に感じることもある毎日のお弁当づくりを支えてくれるのが、お弁当用の「セット収納」です。

「お弁当箱、仕切り、お弁当包みなどの関連用品一式を、バスケットにセットして収納しています。このセットを取り出せば、すぐにお弁当づくりに取り掛かれるので、気分的にラクですね。『お弁当包みがない、箸箱はどこ?』などと朝からあわてる心配もありません。散らかりやすい仕切りは、ジップ袋にひとまとめにしておくと使いやすいですよ」(森山さん)

 

 

<リビング編>

4.家族のものは誰もがわかりやすい「ラベル収納」に

森山家のキッチンとリビングダイニングの間にあるのは、柱を利用した天井まで続くつくり付けの棚。ここには、薬や文房具、電池、ポケットティッシュなど、家族で使うものが集約されていました。

「家族みんなが使う生活用品は、家族が集うリビングにまとめるのが効率的。この棚は、家の中でも導線のいい場所にあるので、取り出しやすく、しまいやすいのがポイントです。収納ケースには、ラベルで具体的なモノの名前を表示しておくと、誰もが迷わず探せます。『お母さん、あれはどこにあるの〜?』と、みんなの探す時間を減らせるので、かなりの時短につながります。

また、各種アイテムの“定位置”が明確なので、片づける習慣がつき、散らかりにくくなるというメリットも。子どもたちが散らかしたものを片づけるのも、結構な労力と時間を要しますよね。こうした小さな家事を少しずつ減らしていくことが、ゆとりにつながると思います」(森山さん)

 

5. 貴重品は“ポーチ収納”で持ち出しやすく

通帳や母子手帳、保険証、診察券などは、半透明のポーチにグループ分けされ、棚に立てて収納されていました。

「通帳や母子手帳、保険証などの貴重品を、別々に保管している人は結構多いと思います。それらを<災害時に持ち出すもの>というゾーンに集約してまとめておくと、いざというときにもあわてません。ポーチ収納はそのまますぐに持ち出せるので、防災対策の観点からもおすすめの収納法です。

ちなみに、ポーチにはラベルを付け、パパにもわかりやすいようにしています。ポーチは、通帳や母子手帳などを入れるのにちょうどいい大きさで、自立するもの、また、幅を詰められて場所を取らないアイテムに統一して使っています」(森山さん)

 

 

<洗面所編>

6.下着とパジャマは洗面所に

“使う場所に収納する”というルールを徹底している森山さん。お風呂上がりにそのまま取り出して身につけられるよう、下着とパジャマはバスルームに続く洗面所に収納されていました。

「多くのご家庭では、パジャマや下着類を寝室のタンスや、クローゼットの収納ケースなどに収納されているのではないでしょうか? わが家では、洗面所の棚に引き出しを取り付け、そこへ収納しています。わざわざ寝室まで着替えを取りに行く手間を省ける上に、子どもが自分で用意できるので、とても重宝しています」(森山さん)

 

 

<玄関編>

7.アクセサリー類は玄関の近くに

玄関のすぐ近くに、小さめのテーブルが設置されている森山家。そこには、アクセサリーや時計、クルマのカギなどが収納されていました。

「いずれも外出時に使うものなので、玄関の近くに置いておけば、出かける準備がスムーズです。アクセサリーは、コルクボードにかけたりクリアケースに入れたりして収納しているので、その日のコーディネートに合わせて選びやすく、便利です。また、帰宅後もすぐに取り外して元に戻せるので散らかりません。さらにスペースがあれば、交通系ICカードやお財布、家のカギなどもひとまとめにしておくと、忙しい朝の身支度もスムーズ。忘れもの防止にもつながります」(森山さん)

 

 

 

森山家の収納は、いずれも「誰が」「どこで」「どのくらいの頻度で」使うものなのか……ということを念頭に置いた上で、取り出しやすさとしまいやすさを第一に考えられていました。この収納ルールを徹底した結果、「使いやすくて汚れにくい、ストレスフリーな暮らしを手に入れられた」と森山さんはいいます。

まずは、よく使う生活用品を中心に「それらはきちんと使う場所にあるか」、「使うときに取り出しやすいか」といったことを点検しつつ、ご自宅の収納を見直してみましょう。ちょっとしたことですが、せわしない毎日が大きく変わるかもしれません。

 

 

教えてくれた人

森山尚美さん

シンプルライフスタイリスト、整理収納コンサルタント。看護師として病院に勤務した後、11年間の専業主婦時代を通じて片づけ、シンプルライフに開眼し、2012年に整理収納アドバイザー1級を取得。整理収納のコンサルティングなどを行う「SIMPLUS」を立ち上げ「もっと素敵に、私らしく暮らしたい」人への片づけレッスンや、各種セミナーの講師としても活動。「整理収納からはじめるシンプルライフ」を伝えている。

 

 

●こちらの記事もおすすめです

「小1の壁」という言葉をご存じでしょうか?実はこの春、長男が小学2年生へと進級し、どうにか「小1の壁」を乗り越えることができました。今回は、その壁を乗り越えるカギとなった、家電を使った家事の時短テクを紹介します。

ムダなものを排除したミニマムな暮らしは、掃除や料理も実にスムーズに。今回は、こうした家事のシンプル化テクニックを、ライフオーガナイザーの中山あいこさんに教えてもらいました。

学生時代のテスト勉強や夏休みの宿題は、溜めに溜めて一気に片付ける派、おまけに、「ゆる家事」という言葉が大好きで、3人の男児を絶賛“ゆる育児”中の筆者でも続けられた“ちょこっと掃除”テクをご紹介します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加