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ダイエットでも注目! プロに聞く「グレープフルーツ」の賢い食べ方&選び方

文・写真/石井和美 写真/PIXTA

2018.06.08

酸味と苦みのバランスがよく、さっぱりとしていておいしいグレープフルーツ。初夏に出回るイメージがありますが、現在は1年中、スーパーマーケットなどで手に入ります。

近年は、香りやダイエット関連での注目度が高いようですが、昭和生まれ世代のママやパパのなかには、グレープフルーツは「半分にカットして砂糖をかけ、ギザギザのスプーンで食べた」という経験がある方も多いのではないでしょうか? そういえば、最近ではそのような食べ方って、あまり見かけませんね。

そこで今回は、品種の違いや、おいしい個体の見分け方など、グレープフルーツにまつわる疑問を解き明かしていきます。教えていただいたのは、フロリダ州政府柑橘局(日本事務局)の大場ゆかりさんです。

フロリダ州政府柑橘局(日本事務局) 大場ゆかりさん

 

 

◆品種改良の結果、スプーンで食べなくなった!?20180608_grapefruit_2

──昭和生まれの筆者は、小さい頃、グレープフルーツを半分に切り、断面に砂糖をかけてギザギザのスプーンで食べていました。今はそういった食べ方はしないようなのですが、なぜなのでしょうか?

「グレープフルーツは、1971年の輸入自由化によって正式に日本でも販売されるようになりました。めずらしいフルーツということで、最初のうちは高級フルーツとして扱われていました。出始めたころは、当時の価格でひと玉600円ほどと、とても高価なフルーツでした。例えばレストランでは、ブランデーをかけてから火をつけて食べるような、高級フルーツだったのです。

 当時のグレープフルーツは、酸味の強い品種だったため、一般家庭では半分に割り、断面に砂糖をかけてスプーンで食べられていました。その後、生産者の努力もあり、甘くおいしいグレープフルーツが食べられるようになったため、砂糖をかけて食べることはなくなったようです。そのためか、 今の若い方々は、スプーンで食べるという食べ方自体をご存じない方が多いのです。みなさん、みかんのように手でむいて食られている光景をよく見ますね」(大場さん)

 

20180608_grapefruit_spoon今でもギザギザスプーンは売られています

 

 

◆日本人はグレープフルーツが大好き

──世界的に見て、日本のグレープフルーツ消費量はどのくらいの規模なのでしょうか?

「7~8年ほど前まで、日本は毎年1000万ケースほどを輸入していました。当時のアメリカ国内では、500万〜600万ケースしか消費されていませんでしたから、圧倒的に多かったのです。フロリダからの輸出先としては、今でも日本の輸入量はトップですよ。日本人はグレープフルーツが大好きなんです」(大場さん)

 

──すごい消費量だったのですね! 日本人にグレープルーツが受け入れられた理由は?

「日本人は、もともと柑橘類が好きということもあります。昔から「冬はこたつでみかん」というシーンが定番ですよね。また、お漬け物や梅干しなど、酸味の強いものを好む傾向にあるので、グレープフルーツも受け入れられたのではないかと思っています。そして、居酒屋などで出される“生絞りサワー”が考案されて以降は、消費量もかなり増えています」(大場さん)

 

──14年ほど前はかなり消費量が多かったとのことですが、現在の消費量はどうなのでしょうか?

「ハリケーンが産地を2年連続で直撃してしまいまして、生産量が激減してしまいました。

しかも、ハリケーンの余波でクリーニング病という病気が広がり、果実が黄色くならずにグリーンのまま落ちてしまいました。また、黄色くなっても糖度が上がらないので、すごく酸っぱいものになってしまい、輸出量が激減してしまったのです。特に、日本向けの出荷基準は厳しく、糖度・酸度のバランスなどが細かくチェックされていて、その基準をクリアしないと出荷できないため、全体に出荷量が減ってしまいました。

生産者も病気に強い品種とかけ合わせるといった努力をしていますが、新たな木を植えても、グレープフルーツは10年以上たたないとおいしくならないんです。2~3年では糖度が低く酸っぱいので、ジュースでブレンドして使うといった形をとっています」(大場さん)

 

──グレープフルーツの旬の時期を教えてください。アメリカ以外の国でも生産しているのですか? 

「フロリダ産のシーズンは、11月から始まって5月くらいに終わるのですが、6月からは代わって、南アフリカ産のシーズンが始まります。産地は異なりますが、1年中グレープフルーツが売り場に並びますよ。

ちなみに、フロリダ産がもっとも旬を迎えるのは2~4月です。甘味と酸味のバランスが絶妙で、皮が薄く、ジューシーです。南アフリカ産とカリフォルニア産は、土壌が異なるので全体に水分量が少なめで、皮が厚めなのが特徴です。フロリダ産は分厚いものはほとんどありません。ただし、昨2017年11月にまたハリケーンが来てしまい、出荷数量が落ちています。日本の消費量が多く。生産が追い付かないため、売り場ではイスラエル産やメキシコ産など、新しい産地のグレープフルーツも目にするようになっています」(大場さん)

 

◆ルビーとホワイトとの違いは?

20180608_grapefruit_c

──ルビーとホワイトの違いを教えてください。

「栄養成分でいえば、ビタミンCなど栄養成分はほぼ変わらないのですが、ルビーのほうがベータカロテンが多いですね。赤い色はベータカロテンの色なんです。また、ホワイトよりもルビーのほうが、酸味がややマイルドな傾向があります」(大場さん)

 

──グレープフルーツというと、ホワイトのイメージが強い人も多そうですが、ルビーとホワイトはどちらが人気なのでしょうか。

「今はルビーなんですよ。ホワイトのグレープフルーツにお砂糖をかけて食べていたころは、ルビーはほとんど輸入されていませんでした。しかし、2000年代にテレビ番組で『ルビーにはベータカロテンが含まれていて体によい』と大々的に紹介されたのをきっかけに、そこから逆転してルビーが増えました。今は65%がルビー、35%がホワイトです。外食の生絞りはホワイトを使っているので、スーパーマーケットなどで売られているグレープフルーツは、もっとルビーの割合が高いはずです。

昔から、ホワイトを生で食べるのは日本人が多いですね。海外はルビーを食べています。ヨーロッパ、アメリカ国内では、ホワイトはジュースで飲み、生で食べるときはルビーが主流です」(大場さん)

 

◆なぜダイエット中の人にグレープフルーツが人気なのか

──グレープフルーツはダイエット中の人がよく食べるフルーツというイメージがあるのですが、その理由を教えてください。

「カロリーや、血糖値が上昇するスピードを示す“GI値”が低いからだといわれています。果物の中でも、バナナやスイカはGI値が比較的高いんです。血糖値の急激な上昇を気にされる方も選ばれているようです。そして最近の研究では、グレープフルーツの“香り成分”が交感神経を刺激し、代謝を活発にすることも証明されています。また、グレープフルーツにはカリウムが多く、塩分を体外に排出しやすくする作用もあるとされています。血圧が高くなりがちな方で、まだ薬を飲んでいない方には、高血圧予防としてもおすすめしています」(大場さん)

参考:フロリダ州政府柑橘局サイト

  低GIについて https://www.florida-grapefruit.jp/health/03.html

  グレープフルーツと薬 https://www.florida-grapefruit.jp/health/05.html

 

◆酢の代わりにグレープフルーツを使った酢飯が人気!

──グレープフルーツを簡単においしく食べられる、おすすめの調理法などはありますか?

「グレープフルーツの果汁を酢飯の酢の代わりにしたり、たれに使ったり、ドレッシングにしたりする利用方法が、食育の観点からも注目されています。最近では、お子さんや若い方の間で酸味や苦み、辛さが苦手という方が増えていて、酢も酸っぱすぎないものが主流になっています。酢飯などもツーンとする感じが苦手というお子さんが多いそうなんですよ。

その点、グレープフルーツは、酸味と甘みのバランスが程よいので、砂糖などを入れず、そのままごはんと混ぜるだけで酢飯になります。私も試してみましたが、香りが良くて驚きました。サーモンやきゅうりをまぜてあえるのがおすすめです。

また、ドレッシングやたれにもぴったりです。意外な使い方としては、そばつゆに入れるのもおいしいですね。おしょうゆと柑橘類は相性がいいので、冬のお鍋に入れる方もいますよ。ビタミンCがたっぷりなので、風邪の予防になるともいわれています」(大場さん)

参考:グレープフルーツとサーモンのちらし寿司 http://florida-grapefruit.jp/recipe/17.html

 

──最後に、おいしいグレープフルーツの見分け方について教えてください。

「水分量が多いグレープフルーツはみずみずしいので、手に取ってみてずっしり重いものを選んでください。あとは、上部がとがっているようなものはあまりおいしくないといわれています。丸く、おまんじゅうみたいに、ちょっとつぶれている横長のグレープフルーツがおすすめです」(大場さん)

 

 

◆おいしい見分け方のとおりに買ってみたら……そのとおりだった!

大場さんにお話をうかがった後、さっそくスーパーマーケットへ行ってグレープフルーツを買ってみました。近所のスーパーはホワイトがなく、売っていたのはルビーだけ。同じ棚から、少しとがった軽いグレープフルーツと、ずっしりと重く、横長のグレープフルーツを購入し、自宅で切ってみました。

20180608_grapefruit_d近所のスーパーで購入。どちらも同じ棚で、同じ価格。こんなに形が違います。右側がおすすめのグレープフルーツです

とがったグレープフルーツは皮が厚く、ルビーなのにホワイトのような色です。おまんじゅう型は皮が薄く、みずみずしい! 確かにおまんじゅう型のほうが甘かったです。

20180608_grapefruit_d左がとがっていた個体の断面、右がおまんじゅう型の断面です。みずみずしさ、甘さ、色、すべてにおいて右側が圧倒的でした!

同じ棚からとったものですが、選び方次第でこんなにも違うんですね。グレープフルーツを購入する際は、ぜひ形を吟味してください。

 

【おいしいグレープフルーツを選ぶポイント】

・ずっしりと重い

・先がとがっていない

・丸く、横長で少しつぶれたような形

グレープフルーツに関する情報が満載の、フロリダ州政府柑橘局(日本事務局)サイトはこちら!
http://florida-grapefruit.jp/ 

 

グレープフルーツは皮が厚く、比較的傷みにくいフルーツです。保存する際は、冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。乾燥を防ぐために、ポリ袋などに入れて1~2個ずつ保存すれば、2~3週間は日持ちします。

また、フルーツや果物を毎日たっぷりとる方には、真ん中に野菜室がある冷蔵庫がおすすめですよ。腰をかがめず、水分の多いフルーツもスッと取り出すことができるので、とてもラクです。冷蔵庫を購入する際は、野菜室の場所もチェックしてみてくださいね。

 

三菱冷蔵庫:「真ん中クリーン朝どれ野菜室」搭載のMXシリーズ

https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/reizouko/series/separate/index_m_2018.html

 

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