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マンガンとアルカリの違いは何? いまさら聞けない「乾電池の基本」

文/ニクイねぇ! PRESS編集部 写真/PIXTA

2018.05.11

テレビのリモコンや子どものおもちゃなど、普段、何気なく使っている電池。そんな電池には、多くの種類があり、用途に合わせて使い分けた方がいいということをご存じでしょうか? 今回は、電池の選び方や、保管中の性能低下を少なくする方法など、正しい電池の取り扱い方を『All About』の家電ガイド・滝田勝紀さんに解説してもらいました。

 

アルカリ、マンガン、リチウム……

〇電池の種類と特徴、使いわけ方について

 

──本当にいまさらなのですが……、電池の基本について教えてください。

私たちが普段よく使っている“乾電池”や“充電式電池”は、化学反応によって電気を起こす化学電池と呼ばれるものです。化学電池には、使い切り型の一次電池、モバイルバッテリーなど、充電して繰り返し使える二次電池、水と水素から電力をつくり出す電気自動車の電力源などで開発が進んでいる燃料電池があり、それらを形や大きさで分けると、約4000種類にものぼります。

そのなかで、私たちが使う機会が多いのは、マンガン乾電池アルカリ乾電池、そしてリチウムイオン電池です。3つの電池は、それぞれパワーが異なり、使用目的に応じての使い分けが肝心です。

●マンガン乾電池:休み休み使うことで、電圧が回復するという特徴があります。小さな電流でオン/オフを繰り返すリモコンや時計などに向いています。

●アルカリ乾電池:マンガン乾電池よりも大きな電流を流せるのが特徴です。デジタルカメラや電動ハブラシ、子どものおもちゃなど、短時間で大きなパワーを必要とする機器に適しています。

●リチウムイオン電池:デジタルカメラなどの大きなパワーを必要とする機器では、アルカリ乾電池よりも約2倍長く使用できます。

 

※機器によって使用する電池を指定しているものがあります。電池を買い替える際は、機器がどのような電池を推奨しているか、取扱説明書などで確認すると安心です。

 

一部だけを入れ替えるのは、事故や故障の元!

〇交換時は一度にすべて入れ替える

──リモコンなどの電池を入れ替える際、予備の電池が1本しかなくて、その場しのぎに1本だけを入れ替えるといったことがあるのですが、それって大丈夫なのですか?

それはおすすめできませんね。古い電池と新しい電池を混在させて使用すると、本来のパワーが発揮されなかったり、寿命が短くなったりします。さらに、液もれの原因にもなるので、複数の電池を交換するときは、一度にまとめて新しいものと入れ替えましょう。

また、先ほどお話したように、電池には種類があります。例えば、同じ単4形だからといってアルカリ乾電池とマンガン乾電池を組み合わせたり、異なるメーカーの乾電池を混ぜて使用したりすると、液もれなどのトラブルを招く恐れがあるので危険です。

 

正しい“しまい方”が長持ちの秘訣!

〇保管中の性能低下を少なくする、上手な保管方法

──予備の電池や使いかけの電池は、引き出しなどに入れて無造作にしまっておくことが多いのですが、正しい保管方法ってあるのでしょうか?

電池は使用していないときも、内部で化学反応が起き続けているため、少しずつ電気容量が減っています。この“自己放電”は、温度、湿度の高いところで起こりやすいので、ジメジメした場所や高温での保管はおすすめできません。風とおしが良く、乾燥した涼しい場所(理想は10~25°C)での保管がベストです。

また、パッケージから出した電池を保管するときは、安全のためプラス極とマイナス極にセロハンテープを貼って絶縁しておくといいでしょう。ショート防止になります。最近は100円ショップなどで乾電池の保管に適した専用ケースも売られているので、それらを利用するのもおすすめです。

さらに「電池は冷蔵庫で保管すると長持ちする」なんてウワサがありますが、これは誤解です むしろ、冷蔵庫に保管すると電池が結露し、水滴でプラス極とマイナス極がつながって電池が消耗したり、サビが発生したりする原因となるので、避けた方が無難です。

 

“捨て忘れ”や“放置”もキケンです

〇使用済み電池の正しい捨て方 

──最後に、使い終わった電池の正しい捨て方について教えてください

使い終わった電池は、そのまま捨ててはいけません。電池の種類によって、処理方法が異なります。

マンガン乾電池、アルカリ乾電池、コイン形リチウム電池は、不燃ゴミとして捨ててよいことになっています。ただし、各自治体によって収集の仕方が異なるので、それぞれの自治体の指示に従いましょう。

ボタン電池は、不燃ゴミとして廃棄せず、ボタン電池回収協力店に設置された“ボタン電池回収缶”へ入れましょう。また、リチウムイオン電池は、リサイクル協力店にお持ちください。

一部のボタン電池には性能面・品質面の理由から、微量の水銀が使用されています。水銀は生物に対して毒性が強く、近年は使用が控えられている金属ですので、社団法人電池工業会が電池業界の自主取り組みとして回収・処理を行い、費用は各企業が負担しているのです。

 

回収ルールの関する詳細は、「ボタン電池回収推進センター」及び「JBRC」のホームページをご覧ください。

 

また、すべての電池で共通する廃棄ルールとして、他の金属と接触させると発熱するといった恐れがあるため、プラス極とマイナス極の端子部にセロハンテープを貼ってから捨てるようにしてください。

 

 

いかがでしたか? 普段、何気なく使っている電池ですが、初めて知ることも多かったのではないでしょうか。電池本来のパワーを十分に発揮させるには、正しい使い方と保管方法が肝心です。今回ご紹介した内容を踏まえて、賢く上手に電池を使いましょう!

 

教えてくれた人

滝田勝紀さん

『All About』の家電ガイド。フリーランスの編集者。モノ情報誌で家電製品の担当を10年以上務める。とくにロボット系家電やIoT家電に精通。毎年秋にドイツで開催される世界一の家電見本市「IFA」ほか、海外の家電イベント/家電メーカーの取材経験も豊富

 

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