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1万人以上の眠りの悩みを解決! 快眠セラピストの「しっかり眠れる寝室環境のつくり方」、教えます

文/ニクイねぇ!Press編集部 写真/下城英悟(GREEN HOUSE)、PIXTA

2016.02.26

なかなか眠れない、夜中に目が覚めてしまう、日中に眠気を感じる──。厚生労働省が行った調査(※)によれば、20歳以上の男女およそ5人に1人が「睡眠全体の質に満足できていない」とのこと。あ、それ、私のこと! と思う方も多いのでは……?

では、いったいどんな“眠りの環境”を作れば、ぐっすり快適に眠れるのでしょうか。どんな枕やマットレスを使えばいいの? シーツやパジャマは? 寝室の温度や湿度は……? そこで、20年に渡り1万人以上の眠りの悩みを解決してきた快眠セラピストの三橋美穂さんに、しっかり眠れる寝室環境づくりの基本を教えてもらいました。

 

快眠セラピスト/睡眠環境プランナー 

三橋美穂さん

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硬いマットレスが腰にいいとは限らない

寝具の中で一番大切なものは、身体を支えるマットレスと枕です。シーツやカバー、パジャマの肌触りの良さはもちろん、大切なのは、寝ている状態でも立っているときと同じように自然な姿勢を保てることです。

まず、マットレスや敷き布団についてです。“高反発がいい”“低反発がいい”というのは人それぞれですし、そもそも高反発と言ってもいろいろな硬さが存在します。また、“硬いほうが腰にいい”とよく言われますが、硬すぎると腰が浮いてしまい、その結果、骨盤が押し上げられてつま先が開いてしまうと、女性の場合はがに股になってしまうんです。ですから、腰が浮かない程度の適度な柔らかさが必要です。

硬めのマットレスは、腰が楽に感じるのは使っている枕が高すぎるからです。枕が高いと腰が伸びるので、硬めのマットレスだとなじみます。でも、高い枕による気道や首すじの圧迫などの弊害が起こります。

 

自分に合う枕とマットレスは体型によって違う

大ざっぱに言うと、スリムな人は低い枕が合う場合が多く、低い枕にはやわらかめのマットレスが合います。なぜなら、低い枕で横向きに眠ると、硬いマットレスだと肩が当たって痛くなってしまうからです。逆に、がっちりしている人はやや高めの枕で、そのぶん硬めのマットレスと組み合わせるのをおすすめします。

さらに、できれば枕は2~3個持っていると良い眠りを得られる可能性が高まります。なぜなら、その日の気分によっても枕の良し悪しは変わるからです。

たとえば、仕事で失敗して気分が落ち込んでいる時や、ストレスが多くかかっている時などは、柔らかめの素材の枕がおすすめ。温もりも感じられ、気持ちが落ち着く効果があります。暑い夏なら通気性の高い素材の枕のほうが涼感を得られますし、整体に行った直後なら姿勢が良くなっているので低い枕を使うと気持ちよく眠れます。その時々で、最適な枕というのは変わるんですよね。

 

「ルームウエアのまま寝てしまう」は要注意!

パジャマの存在も忘れてはいけません。パジャマを着ないでルームウエアのまま寝てしまうという人も少なくないのですが、実はそれがしっかり睡眠をとれない大きな要因になっているかもしれません。

ルームウエアはあくまでも部屋で動きやすくするために着るもので、ウエストのゴムが太くてしっかりしているものが多いですが、この締め付けが眠りを阻害する要因になることがあるのです。

たとえば、眠るときに腕時計やネックレス、イヤリングなどをつけたままだとしたら、気になってしまって眠れないという人は多いですよね? ルームウエアの締め付けもそれと同じです。ちなみに私は、パジャマを買ってウエストのゴムが少しでも合わなければ必ず変えることにしています。きついな、という感じが少しでもあると、やはり眠りに影響があるからです。

パジャマの生地も重要です。部屋着より薄い綿素材などで、縫い目のゴロゴロした感触が少ないものがおすすめです。柔らかい生地で、ダブルガーゼや伸縮性のあるスムースニットもいいですね。こういったものを複数枚用意して、なるべくこまめに変えたり、季節によって素材を選んだりしましょう。

 

温度調整は、衣服よりも寝具で

シーツは、なるべくこまめに変えることで清潔感のある環境を作れるものなので、眠りを快適にしてくれます。そして、季節に合わせるのもポイント。冬なら起毛したシーツなどのほうがリラックス効果が高いですし、夏はなるべく身体に密着しないような織り方のシーツや、涼感のある麻のシーツを使うのがいいでしょう。

シーツ、カバー、パジャマなどの肌に当たる部分の素材は、なるべく天然素材が良いと言われています。ただ、たくさん重ね着をしてあまりにモコモコしすぎると、寝返りを打つときに背中のところがつっぱったり、布団と摩擦が起こって寝返りがしにくかったりして逆効果です。温度の調整は、衣服よりも掛け布団や敷き布団などの寝具で行った方が快適な眠りを得られることも覚えておくといいですね。

 

冬の低すぎる室温は要注意。18℃前後をキープ!

さらにベッドの周囲の環境に目を移してみましょう。まずは寝室が散らかっている人はしっかりと片付けたいですね。カウンセリングをしていると、睡眠に悩みを持つ人は寝室が散らかっていることが多いので、そのあたりを最初に見直してみましょう。

そのうえで、寝室の温度に目を移してみましょう。通常、布団の中がだいたい33℃くらいに維持されていると快適に眠れると言われています。そして周囲の温度(室温)ですが、実験によると、冬場の場合もっとも睡眠の状態が良かったのは16~19℃くらいという結果が出ています。

実は、寝室の室温が低すぎるとお風呂場でなくともヒートショックの原因になってしまいます。たとえば、室温が10℃以下だと、33℃の布団から起き上がったときにヒートショックによって急激に血圧が上昇。場合によっては脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こし、突然死してしまう恐れもあるからです。そのためにも、冬の寝室の室温は16℃以上、できれば18℃くらいに維持しておくのがおすすめです。

 

湿度は1年を通して40~60%が◎

湿度は、なるべく1年を通して40〜60%に維持しておきます。夏の寝室の室温は、できれば26〜29℃くらいに設定しましょう。1年中同じ寝具を使ってエアコンで温度を調整するという考え方もありますが、エコの観点からも、夏は涼しい寝具を使って室温は控えめに設定するほうが体調管理をしやすいと思います。

夏になると、涼感を得られる敷きパットなどが多く販売されますが、中わたにポリエステルを使っているものは、長時間使うと背中が蒸れて暑くなってしまうと個人的には感じます。ですので、立体構造で熱を逃がす高通気敷きパッドやかいた汗を吸ってなおかつ放熱してくれるものを選ぶようにすると、設定温度が高めでも涼しく眠ることができます。ちなみに私は、夏でも29℃設定で寝ています。

冬場は、加湿器などを利用しましょう。特に風邪を予防したい人などは、顔周辺の湿度のみをエアマスク効果で高めてくれるパーソナル保湿機などもおすすめです。

たとえば、三菱電機のパーソナル保湿機から吹き出されるスチームは、エアマスクの役割を果たすので、仮に口呼吸の状態になっても、スチームで常に顔の周りを潤わせてくれます。ですので、ノドを痛めにくくなり、菌などに感染しにくくなります。

ちなみに、このパーソナル保湿機には、保湿はせずに涼風を吹かせる“そよ風モード”という機能があるので、夏に気持ちよく眠りたい時にも使えます。体を冷やさず、顔の周りに適度な涼しさを届けてくれます。

 

「眠りに入る瞬間が1日の始まり」と考えてみる

寝具や寝室の温度、湿度などを整えたうえで、さらに香りや音楽などでリラックス効果を高めましょう。たとえば、香りは「真正ラベンダー」と呼ばれるものがおすすめです。

ラベンダーにはリラックス作用があるとされる酢酸リナリルという成分が含まれていて、それが35%以上含まれているものを「真正ラベンダー」と呼び、効果が期待できます。ただし、香りには好みがありますので、ご自身が一番リラックスできるものを選ぶといいでしょう。

音楽はご自身がリラックスできると思う、落ち着いたクラシックなどをセレクトしてください。さらに、寝室には本やスマホなどは持ち込まず、眠ることに集中することが大切です。

また、1日の始まりは朝の目覚めからではなく、夜の眠りからであると考えるのも実は大切です。人は朝起きると同時に1日が始まり、夜の睡眠は1日の疲れを癒やすものと考えがちですが、眠り=1日をよりよく過ごすための準備と考えれば、実はベッドに入る瞬間からが1日の始まりで、そこでしっかりとした眠りを得ることが、その後の充実した活動に繋がるからです。

昼の活動と睡眠の関係は、白黒の“陰陽太極図”のイメージだと私は思っています。昼の活動と睡眠はそれぞれ光と闇のような存在であり、光が光として輝くには闇が必要で、闇が濃ければ濃いほど光が輝きを増すというイメージです。だから、昼の活動を充実させようと思ったら、それを支える睡眠を充実させることが本質なのです。

睡眠不足だと、なんとなく1日ぼーっとしてしまい、あまり成果が上がりませんよね。だからこそ、睡眠が1日の始まりだと考えて、“しっかり眠れる寝室環境づくりの基本”を実践し、ぜひ快適な眠りを得ていただきたいですね。

 

※データ出典:厚生労働省 平成 25 年 国民健康・栄養調査結果の概要

 

三橋美穂:寝具メーカーに入社、研究開発部長を経て2003年から快眠セラピスト/睡眠環境プランナーとして独立。20年間に1万人以上の眠りの悩みを解決し、睡眠のスペシャリストとして多方面で活躍中。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)ほか。『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)の日本語版を監訳。

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