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ポジティブな言葉がけで子どもが変わる! 第一人者に聞いた、魔法の言葉のつくり方

文/ニクイねぇ!Press編集部 写真/PIXTA

2016.02.12

日々、待ったなしの子育て。よくないとわかっていても、忙しいとつい、子どもへの言葉がけはイライラ口調や否定的になりがちです。

「それをポジティブな言葉に変えるだけで、ママにも子どもにも大きなメリットがある」と語るのは、キッズコーチングの第一人者である竹内エリカ先生。ママも子どもも育つ言葉がけとは? 竹内先生にお聞きしました。

 

日本キッズコーチング協会理事長 幼児教育者

竹内エリカさん

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ポジティブな言葉がけが“自己肯定感”を育てる

── 日常的にお子さんと接する中で、言葉のかけ方が難しいと感じるママやパパは多いようです。どのような言葉がけをすればよいでしょうか。

親なら誰でも子どもの成長を心から願うものですから、つい子どもの悪いところばかり目に入り、1日中怒ってばかり……なんてこともあると思います。そんなときは、悪いところを指摘するネガティブな言葉の代わりに、どうすればいいのか、どうしてほしいのかを示すポジティブな言葉に言い換えてみてください。

ポジティブな言葉がけによる最大の効果は、子どもの自己肯定感を育てること。「ダメな子ね」と言って育てると、自分はダメな子だと信じるようになります。「大好きよ」と言って育てると、愛することと愛されることの温かさを知ります。ぎゅっと抱きしめると、「今の自分でいいんだ」と自分を肯定するようになります。

「できないこと」に目を背けて放置することは甘やかしですが、ポジティブな言葉がけは心理学では「レフレイミング」と言い、「できること」に目を向けることで「できる」確率を上げる効果的なサポートなんですよ。

── ポジティブな言葉がけがお子さんとママにもたらすメリットには、どういったものがありますか?

まず、実際に「できるよ」「できたね」と声をかけ続けられたお子さんは、そうでないお子さんよりも、目標を達成する確率が上がると言われています。これは心理学で「ピグマリオン効果」と言われるもの。もちろんその逆も然りです。「何でできないの?」というと、本当にできなくなるのです。

お子さんの成長とは、毎日が小さな「できた」の積み重ねです。その「できた」を見つけて認めてあげることで、お子さんの向上心は大いに刺激されます。

また、お母さんにとっては、お子さんの「できないこと」を探す習慣を改めて、「できること」に目を向けるようになるわけですから、子育ての中で日々感じている「不安」や「焦り」が「期待」や「喜び」に変わるという、大きなメリットがあります。

 

シーン別・ポジティブな言葉への変換例

── お子さんを叱ってしまうよくあるシーン別に、言葉がけの変換テクニックを教えてください。

 

<シーン1>支度やごはんを食べるのが遅い

×「早くしなさい!」

○「あと5分で終わりにしようね」「今日は○○までに食べ終わろうね」

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お母さんは「子どもにはできる限りのことをしてあげたい」「きちんとしつけなくちゃ!」と毎日子育てに奮闘していていつも一生懸命なのに、お子さんは思い通りにならないもの。つい声を荒げながら「早くしなさい!」を、1日に何度も繰り返すお母さんは少なくないと思います。

そんなときは、まず深呼吸して「怒らない」と自分に言い聞かせます。そして「あと○分」「あと○回」などと、はっきり時間や回数を指示して交渉しましょう。少し大きなお子さんには「今日は○○までに食べ終わろうね」などと最初に約束をしておくのも効果的です。

 

<シーン2>なかなかおもちゃを片づけない

×「片づけないなら捨てちゃうよ!」

○「一緒に片づけよう。どっちが早いかな?」「いつ、片づける?」

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お子さんは「ワーキングメモリー(作業記憶)」という記憶力の発達が未熟で、新しい刺激を受けたり興味がほかに移ったりすると、今までやっていたことや、やるはずだったことを忘れてしまう傾向にあります。このため、少し手伝ってあげてもかまいません。「どっちが早いかな」などと遊び心を刺激しながら誘ってみてください。

ポイントは、必ずお子さん自身に最後までやらせること。怒りながらもお母さんが全部片づけていたら、お子さんは自分でやらなくても誰かがやってくれると学習してしまいます。また、少し大きなお子さんには「いつ、片づける?」と自分で考えさせるのも有効です。

 

<シーン3>ママが忙しいとき

×「ちょっと待って!」「あっちへ行ってなさい!」

○「見てほしいのね」「5分待ってね」

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「騒がないでね」「うるさい」と言われると、“騒ぐ”、“うるさい”というイメージが残り、お子さんの騒ぎたい気持ちを刺激してしまいます。お母さんとしては注意しようとしてかけている言葉なのに、逆の可能性を高めてしまっているなんてもったいないですね。そんなときは「静かにしてね」と言ってあげてください。

何をしないか=“騒がない”ではなく、何をすればいいのか=“静かにする”ということを具体的に伝えてあげましょう。静かにするとはどういうことなのか、お子さん自身に考える機会を与えるので、自分で考え、行動する習慣も身につきます。

 

——ポジティブな言葉がけが効果的であることはわかったのですが、時間に追われる忙しい生活の中で毎回実践できるかどうか……と不安に思うママも多いかと思います。どう頭を切り替えればよいのでしょう。アドバイスをお願いします!

お子さんが泣いて駄々をこねるように、親だってイライラするときはあります。ポジティブな言葉がけをしたほうがいいのはわかっていても、いつでも完璧な親なんていませんし、親だってひとりの人間として感情的になるのは普通のことです。

ですから、無理をする必要はありません。怒鳴りつけてしまったら、大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせ、「怒鳴ってごめんね」といえばいいのです。

ただ、ひとつだけ覚えておいてください。お子さんの困った行動に出会ったら、「違う見方はできないかな」と自分自身に問いかけてほしいのです。「落ち着きのない子」は「活発で行動力のある子」です。「引っ込み思案な子」は「感性豊かでやさしい子」です。「できないこと」の裏には、必ず「できること」が隠れているものです。

1日1回、寝る前にお子さんのいいところ探しをしてみてください。きっと「できること」を探す名人になれるはずです。しかも不思議なのですが「できること」を探していると、お子さんのことがさらに愛おしくなるものです。

 

竹内エリカ/日本キッズコーチング協会理事長。幼児教育者。20年にわたり発達心理について研究し、約1万2000人の親子に携わる。発達支援では多動症・不登校の克服、運動指導では全国第1位のほか、14賞のコーチ実績がある。著書はロングセラー。近著に『0歳から6歳までの困った子が変わる育て方』(KADOKAWA/中経出版 1404円)がある。

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